近野貴行のフドネタ

近野貴行のフドネタです。

今回の時事ネタは、

本当に大丈夫?急増するアパート経営者のニーズとリスク

 
 
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今、不動産投資家の中でも特にアパート経営熱が脚光を浴びている。

アパート一棟を賃貸用に貸し出し利益を出すことで家賃収入を得る仕組みだ。

そこに潜む光と影、高額な商品なだけに慎重なジャッジをする能力が求められる。

購入を考える年齢層としては団塊の世代である。現役引退を機に相続税対策を狙っているのだ。

そんな彼らの思考が、今後縮小する日本人口をいかほどに考えているのだろうか。

供給過多になった土地で誤った不動産の運用をすることで、残された遺族に負の遺産を残すリスクもある。

今後は相続税の対策になるから不動産投資、という安直な考えではなく、アパートの経営者になるという視点に立ち、学ぶ機会に時間を投資する必要があるだろう。

アパート急増バブル懸念「団塊」の節税×地銀が融資競う 人口減、地方に空室リスク

日経新聞 7月4日(月)

不動産市場に「アパートバブル」の懸念が出ている。団塊世代による相続対策を背景に、新設住宅着工はアパートなど貸家が2桁増と急増。マイナス金利の導入も背中を押し、銀行は資産家に向けたアパートローンに力を入れつつある。ただ地方は人口減少の加速が避けられず、将来の危うい空室リスクもはらむ。(馬場燃、浜美佐)

「なにか土地利用でお悩みはありませんか」。地銀大手の横浜銀行東日本銀行との経営統合を機に、5月半ばに新設した立川支店。6人の営業員が1カ月で200の個人宅を回り、4件のアパートローンを獲得した。

貸家着工15%増

アパートといっても昔ながらの木造ではない。鉄筋コンクリートのアパート建設などを勧める。「沿線に大学生も多く、手応えを感じている」(平間武志支店長)。対象は使わない農地などを抱える60歳超の資産家だ。

横浜銀は住宅貸し付けのうち、アパートローンの伸びが鮮明だ。2016年3月期は通常の住宅ローンが前期比1%減った一方、アパートローンは3%増。アパートは1軒で平均1億円弱の融資を見込め、貸出金利も1%弱と0.6%前後の住宅ローンより高い。アパートを含む資産家向け融資は18年度までの3年間で約4割増の2兆6500億円を目指している。

首都圏と同様に人口増が続く沖縄県でもアパートは好調だ。沖縄銀行は16年3月末までの1年間で不動産向け融資を377億円増やしたが、このうちアパートローンが200億円を占めた。

銀行の動きを裏付けるように住宅着工も増加。5月の伸び率は持ち家が前年比4.3%にとどまるのに対し、アパートなど貸家が15%となった。

アパートが伸びた理由は2つある。1つは団塊世代の相続対策だ。

15年1月施行の税制改正を受け、相続税は非課税枠だった基礎控除の引き下げや税率構造が見直された。相続税制では現金よりも不動産の方が評価額が低くなり、賃貸に回すとさらに下がる。即効性のある節税策として、資産家がアパートに飛びついた面がある。

2つめは日銀のマイナス金利政策。利ざやが縮んだ銀行がアパートローンに活路を見いだそうとしている。拠点を置く自治体で人口減少が進む西日本のある地銀も「市内中心部で閉鎖した店舗や老朽化した建物の跡地をいかしたアパート建設を提案している」と話す。

節税したい個人と融資を伸ばしたい銀行側の思惑の一致。問題は人口減少社会の日本で、アパート着工が適正水準かということだ。不動産動向に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの藤田隼平研究員は「すでに過熱気味のサインが出ている」と指摘する。

いずれ調整局面

同社は人口動態や建築された住宅の数をもとに、長期にわたる適正な需要値を試算。足元の動きは、バブル経済期や08年のリーマン・ショック前と似通い、供給過多の傾向がみられるという。過去2回ともその後にやって来たのは急速な需要減。藤田氏は「今回もいずれ調整局面に入るリスクがある」とみている。

不気味に響くのが空き家の足取りだ。13年度時点で850万戸に達し、空室率は14%。このうち半分を賃貸が占める。日本不動産研究所の吉野薫氏は「地方では長期的な採算性が疑問の案件も増えている」と懸念する。

アパート融資をこぞって増やす地銀を金融庁も警戒している。地銀全体の預金と貸出金の差は約100兆円。行き場のないマネーが過度に不動産に集まるリスクがある。日銀からも「金融システム安定の観点から注視が必要」との声が聞こえ始めた。人口減とマイナス金利政策の下で、日本経済に新たな「ゆがみ」が生じる恐れが否めない。

 

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