近野貴行のフドネタ

エターナル株式会社の近野貴行です。

 

今回のフドネタは、

 

夫婦で見直したい。共働きのお財布事情。

 
 
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妻の方が収入が多い 家庭内格差ですれ違う夫婦



 「収入はあるのに、ちっともお金が残りません。財布を別にしているのがよくないのでしょうか」。こう相談に来られたのは、小学1年生の長女、4歳の次女がいるWさんご夫婦。会社員の夫(38)は手取りが26万円ほど、IT関係に勤める妻(37)は手取り41万円ほどの共働きのご家庭です。

 長女が小学生になったのをきっかけに教育費について話し合ったところ、互いに貯蓄を増やせていないことがわかり、将来が心配になったということでした。

 Wさんご夫婦は結婚してから10年ほどたちますが、これまでずっと家計管理は別財布。夫より妻の方が収入が多く、互いにそれを気にしないよう、それぞれが15万円ずつ出し合い、家賃、食費、水道光熱費といった生活費を支払っています。それ以外に手元に残るお金については、それぞれが医療費や交通費、交際費、娯楽費、嗜好品など自分の判断で好きなように使っています。

 手元に残るお金は、夫は11万円ほど、妻は26万円ほどです。自由にできる金額としては比較的大きく、十分蓄えていけるはずなのですが、お2人ともほとんど貯蓄ができていません。

 夫は飲み会代や衣類、趣味・お酒代などで使い切ることがほとんど。誘われるがまま、ほしいままにお金を使いがちのようで、いつもお金がないというそうです。そんな夫を見て、妻は「かわいそう」と、同情半分、優越感半分という気持ちだそうです。

 そのため、子どもと出掛けて楽しむような娯楽費、飲み会代以外の冠婚葬祭やお祝い事、お中元、お歳暮などの交際費、共有生活費の不足分、自分や子どもの衣類などは妻が「払えるから」と支払います。こうして妻もほぼ使い切りとなっています。

 お2人の話を聞いていると、互いに言い訳をしながら浪費をしているように見えました。また、働いて収入を得ることが「家族のため、家のため」ではなく、「自分のため」が中心になっているようです。

 互いの収入を知っているから、夫は無意識のうちに妻の収入に頼り、妻も無意識のうちに夫を見下しているようにも感じます。このままでは、やりくりも、貯蓄もできるようには変われません。

ですが、Wさんご夫婦で一つだけ良いと思える点があります。自分の収入がいくらかを報告し合っている点です。互いの収入がわかっているからこそ、頼ったり、優越感を持ったりできるわけで、ここは生かしたいところです。

 そこで、思い切って「家計を合わせる」ことを提案しました。実際、妻も別々な管理をしていることが貯蓄できない原因なのかもしれないと思ってご相談に来られたようでしたので、前向きに取り組めそうです。

 やり方がわからない、ということでしたので、いくつかのルールを作りました。

(1)収入を入れる共有口座を準備する。すでにある口座の活用でもOK。
(2)小遣いはそれぞれ5万円。交際費、交通費、被服費など、今まで個人で出していたものは共有生活費から支払う。
(3)共有の財布を作り、食費や日用品代など現金払いが多い費目はそこから出す。使いすぎ防止のため、共有の財布の予算は1週間2万円、特別支出費1万円とする
(4)小遣いは全くの自由費。家計の補填などを考えないで使う。

簡単なルールではありますが、習慣が変わるので継続できるかどうかが心配なところでした。自分が手元で管理するお金も、5万円という今までより狭い枠を作ります。もし2人ともお金に対する窮屈感が取り払えなければ、この方法はうまくいかないかもしれません。

 ご夫婦は「慣れてくると、意外に楽かもしれません」と言いながら、指示に従ってやりくりしています。今まで共有生活費の支払いに加えていなかった費目については、お金の使い方をよく相談しているそうです。

 「いる」「いらない」「今必要か」「将来的に必要だけれど今じゃない」とか、それぞれが考えを出し合って決めるので納得ができますし、「支出がスリムになった」と感じているそうです。手元のお金は少なくなりましたが、家計を配慮しなくていい自由なお金なので、気持ちが楽になったとも話します。

 そのうち、生命保険の見直しをしたくなったり、いつものスマートフォンスマホ)を格安スマホに変えたほうが節約できるのではないかと勉強したりしたようです。1週間管理している現金も使い方を話し合うようになったので、少し削減できました。「念のため」の買い物を少なくし、「今週使うもの」中心の買い物に変わったのです。

 結果、食費は1万7000円削減。週の終わりには、冷蔵庫に残る食材がほとんどないと笑っていました。日用品も食品と併せて管理し4000円削減です。水道光熱費は、1000円ほど削減。通信費は蓄えの中から機種変更にかかるお金を持ち出しましたが、毎月1万5000円もの削減効果があったので、契約していたスマホの違約金や格安スマホの端末代、新規契約するSIM代などもろもろ含めても、10カ月ほどで元がとれそうです。

 生命保険は保障の見直しで7000円削減。その他の費目は、もともとご夫婦それぞれが自由になるお金でやりくりしていたので、家計簿上は支出が増えた形になります。しかし、全体的に見ると支出が絞れたので、25万5000円を貯蓄できる家計となりました。これは共有生活費とは別な共有貯蓄口座を準備し、そこに蓄えていくことにしています。

 「収入を合わせたことで、どっちの稼ぎが多いとか変なこだわりがなくなった。毎月こんなにためられるならやる気が出てくる」とご夫婦が口をそろえて話します。

 女性が社会で活躍することが多くなり、妻の収入の方が多いというご夫婦は多いのではないかと思います。収入の多い方が優越感を持ったり、少ない方が萎縮したりするなど、収入がアンバランスであることは、男女間の気持ちにも悪影響を及ぼします。

 ですが、同じ家庭をうまく回していかなくてはいけないのですから、そのあたりは「一家の収入」として割り切って考えることが必要です。互いに納得のいく使い方を話し合いながら、自分たちが最善と思えるやりくりをしていけば、生活も貯蓄もうまくいくのではないかと考えます。「夫婦で話をしよう」が何事もうまくいくキーワードかもしれません。

エターナル株式会社 近野貴行